【短編集】砂糖をかけたみたいに
「シェリン!シェリン!?どこにいるのよ!!」
「はい、お継母さま」
「ったく、呼ばれたら早く来な。使えない子ね」
イライラと足を踏み鳴らしながら継母は言いました。
「すみません…」
対するシェリンはびくびくと返事をしました。
「まぁいいわ。で、あんたはいつもどおり掃除をしてなさい。塵ひとつ残すんじゃないよ!」
「…わかりました」
言い終わると継母は街娘たちを連れて街へと行ってしまいました。
娘たちは扉から出る前にシェリンを見、嫌な笑いをこぼしていきました。
さぁ、掃除をさっさとしてしまおう。
シェリンは箒を持って庭へと出て行きました。
一生懸命に箒を動かしているといつの間にか小鳥たちが集まってきます。
この寂しい家の中でシェリンとよく一緒にいてくれるのがこの小鳥たちでした。
ちゅんちゅん可愛らしく話しかけてくれる小鳥たちに思わず頬が緩んでしまいした。
「おはようみんな。今日も良い天気…だってのになんで私掃除してるのかしら…」
思わず父親の顔を思い浮かべます。
小鳥たちは不思議そうに鳴いていました。
シェリンは父親が亡くなった後、屋敷から出ることを禁止されました。
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