Voice〜彼の声〜
「いってきま〜す」
朝、元気よく家を出る。
今日から新学期が始まるため、学校に向かう。
通学路の途中にある公園で、同じ中学の制服を着た男の子を見つける。
「創ちゃん!」
「…おはよ」
創ちゃんは眠たそうな顔しながら、公園の入口でしゃがんでいた。
「おはよ…って何でいんの?」
私は驚いた顔で質問する。
「………なぜでしょう」
「私が一緒に行きたいって言ったから?」
創ちゃんは小さく微笑むと歩き出した。
私はその隣を嬉しい顔をしながら歩く。
創ちゃんは私に歩調を合わしてくれる。
何だかいい一日になりそうだ。