Voice〜彼の声〜



創を「創ちゃん」と呼ぶ美嘉の態度は誰が見たって、創に好意を寄せていることは分かる。



創も気付いてる。



それに創も美嘉を気に入っている。

はずだ。



でもなかなかくっつかない二人に俺はもどかしさを感じていた。




テスト終了後、俺は創を屋上に呼び出した。



「…話って?」


「美嘉のことどう思ってんの?」


ストレートに尋ねる。



「隆には関係ない」


少し創の言い方にムカついたから意地悪を言う。



「…告らねぇなら、俺がもらうよ?」


どこか俺の本心が入っていた気がする。




「…するよ、告白」


空を見つめていた目を俺に向けた。


「最初からそう言え」


俺は呆れたように笑いながら創の肩を軽く叩いた。



< 106 / 337 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop