Voice〜彼の声〜
創を「創ちゃん」と呼ぶ美嘉の態度は誰が見たって、創に好意を寄せていることは分かる。
創も気付いてる。
それに創も美嘉を気に入っている。
はずだ。
でもなかなかくっつかない二人に俺はもどかしさを感じていた。
テスト終了後、俺は創を屋上に呼び出した。
「…話って?」
「美嘉のことどう思ってんの?」
ストレートに尋ねる。
「隆には関係ない」
少し創の言い方にムカついたから意地悪を言う。
「…告らねぇなら、俺がもらうよ?」
どこか俺の本心が入っていた気がする。
「…するよ、告白」
空を見つめていた目を俺に向けた。
「最初からそう言え」
俺は呆れたように笑いながら創の肩を軽く叩いた。