Voice〜彼の声〜
「…意味分かんないんだけど」
鼻を啜りながら山下の顔を見つめる。
「あいつはお前のこと受け入れてくれるよ」
「…それ、愛美にも言われた」
「じゃあ大丈夫だ」
そう言って笑う。
「その自信はどこからくんの?」
困ったように笑う私の頭をくしゃっと触り、立ち上がった。
「今日、学校終わったら佳祐連れてくる」
その言葉に私は山下を見上げる。
「…それまでにお前の気持ち整理しといて」
「整理って…」
「佳祐と付き合えば、好きになるよ…絶対」
私の目を真剣に見つめる。
「…創は、創はその方が絶対に安心すると思う」
黙り込む私に山下はニコッと笑い、「俺行くわ」と言って歩き出した。