Voice〜彼の声〜
朝と同じ公園へと再び足を運ぶ。
朝と違い、夕方の公園は子供たちが走り回っていた。
「香坂!遅ぇよ」
「…ごめん」
そんなに遅れたわけでもないのにと、「冗談だよ」と笑う山下に謝る。
ベンチに目をやると榊と目が合った。
「おっす…」
「…うん」
お互いに気まずい空気が流れる。
そんな私達の空気を察したのか、山下は「ちゃんと話し合うんだぞ」と困ったように笑いながら、その場を後にした。