Voice〜彼の声〜
残された私達は無言のまま、ベンチに座り続ける。
「……この前はごめん」
先に沈黙を破ったのは榊。
「言いたくないこと無理矢理聞いた」
「ううん…私も榊にひどいこと言っちゃった」
ごめんね、と頭を下げるが榊に顔を向けることが出来ない。
「…隆に俺と"付き合え"って言われたんだってな」
「……うん」
「俺は香坂がいいなら付き合いたいと思ってる」
榊に目をやると、私の方を見ていた。