Voice〜彼の声〜
久しぶりに制服を着る。
髪を整え、靴を履き学校へ向かう。
約10日ぶりの学校だ。
賑やかな教室に入ると愛美がいた。
「愛美」
私の声に振り向く。
「美嘉!おはよ〜」
そう言ってお互いに抱きしめ合う。
「黒崎くんに逢えた?」
「…うん」
愛美は私を力強く抱きしめた。
「…愛美?」
「美嘉は一人じゃないよ」
「……うん」
愛美の言葉が嬉しくて、涙が出そうになった。
そんな抱きしめ合う私たちに廊下から声がかけられる。
教室の戸には山下が立っていた。