Voice〜彼の声〜
それから二週間後、テストは終わり、春休みもあっという間に過ぎ、新学期を迎えた。
「あ、私5組だ…」
「1組だし〜…」
青空が広がる空の下、体育館前にある掲示板に貼られた新しいクラス分けの表を見て悲しむ愛美と私。
「お、俺も5組」
「俺、1組だし…」
背後から聞こえてきた声に振り向くと、山下と落ち込む榊が立っていた。
「クラス離れたね」
愛美がポンっと榊の肩に手を置く。
「香坂、ごめん」
「いや、謝られても」
自分が悪いと謝る榊に笑えてくる。
愛美と山下は爆笑している。
榊と愛美は1組に、私と山下は5組になった。