Voice〜彼の声〜
それぞれの新しいクラスへと移動する。
廊下で愛美と榊と別れ、私は山下と二人で教室を目指し廊下を歩く。
「同じクラスとか久しぶりだな」
「本当だね」
中学以来だ、と思い懐かしくなる。
「な〜、佳祐に名前呼ばさないのってさ、俺と同じ理由?」
背の高い山下を見上げるように見て、視線を足元に移す。
「ん〜…ちょっと違う、かな?」
小さく微笑む私に山下は「そっか…」と呟いたきり黙り込んだ。