Voice〜彼の声〜
「最近はね、榊の声から創ちゃんを思い出すことが少ないの…」
そう言って目を伏せる。
創ちゃんを忘れたわけじゃないんだよ。
「…創ちゃんは今の私を見たらどう思うかな」
なんとなくそう思い口にする。
「……笑って、美嘉の幸せを祈ってくれるよ」
優しく微笑み、泣きそうになって俯いた私の頭を優しく撫でてくれた。
創ちゃん。
最近、幸せだと思えるの。
でもね、創ちゃんのいない日常が、当たり前になっていくのが怖い。