Voice〜彼の声〜
「元気ない?」
「……榊はどうして私がいいの?」
心配な表情が私の質問で赤くなる。
「なんだよ、急に…っ」
「私なんかより可愛いコ、沢山いるのに…」
榊から目を逸らす。
私は榊に好きになってもらえる資格がない。
私の一番は創ちゃんだから。
でも…。
「…さっきも……校庭で告白されてた」
「えっ?見て…っ」
見られてたんだと顔を赤く染める。
私が好きな人は創ちゃんで。
榊が好きな人は私で。
私が好きな人は榊で。
頭が混乱してくる。