Voice〜彼の声〜
段々と学校に来るようになった彼女の近くには、いつも俺と同じクラスの橘がいた。
そして橘といる時は笑顔だった。
学校に馴染めず、ただの登校拒否だったのか?とそんな疑問が頭に浮かんでいた。
立入禁止と札がかかっている屋上に俺はこっそりと入って、一人、空を眺めることが多かった。
この日も昼休みの時間、屋上で寝転んで過ごそうと思ってドアを開けた時だった。
どこからか声が聞こえてきた。
珍しく先約がいると思って耳を澄ますと女の子の泣き声だった。