Voice〜彼の声〜
日直最終日、俺に対しての態度がやっぱり納得いかない俺は、部活を抜け教室へと向かった。
最終日ぐらい、日直一緒にやってやると考えてると、廊下で香坂と会いびっくりする。
「部活は?」
香坂は不思議な表情で聞いてくる。
「途中で抜けたんだ」
納得いかないから。
「どうして?」
「私情で」
つーか、香坂と日直やりたくて。
「そうなんだ」
何も気付いてねぇよな。
「もう帰るの?」
俺は日直の仕事がしたいわけじゃねぇけど。
「うん、日誌も今出してきたとこ」
なんだ、日直終わったのかよ…。
でも、なんとかして一緒にいたい。
「一緒に帰っていい?」
勇気を出して聞いてみる。
「いいけど、愛美も一緒だよ」
やった!…って橘も一緒かよ。
そう思っていると、知らずに声に出していた。
「あいつもいんのかよ」
ぶつぶつ呟く俺に不思議な表情を浮かべている香坂。
俺は誤魔化すように笑った。