Voice〜彼の声〜
一人で話続ける橘に俺は口を挟む隙もなく、適当に聞き流していた。
橘と別れ香坂とやっと二人きりになる。
久しぶりに普通に話せてんじゃん。
俺の勘違い?
「でも良かった…俺さ、香坂に避けられてる様な気がしてたからさ、久しぶりにこうやって話せて、実は嬉しいんだよね」
香坂の方を見ずに言う。
香坂は「避けてるみたいな態度でごめんね…」と謝ってきた。
なんだ、やっぱり避けられてんじゃん。
「冗談だよ」
少し悲しくなりながらも俺は笑った。