Voice〜彼の声〜



それから数日後、隆は俺の教室にやって来た。


「佳祐、ちょっと」


友達といた俺は廊下に呼び出された。



「遅刻したろ?」


意地悪な笑みを浮かべる俺を無視し隆は話し出す。


「放課後、暇?」


「なんで?」



「香坂と約束した」


香坂の名前に一瞬ドキッとする。


でも。



「…話分かんねぇ」


主語言え、主語。


「佳祐と付き合うように勧めといたから」


さらっと言う隆に言葉が出ない。



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