Voice〜彼の声〜
真実へ
放課後、隆と一緒に香坂の所に向かう。
家とは反対方向へと行き、知らない公園に着く。
夕方で日が暮れ始めてるのに、小学生の子供が鬼ごっこをしている。
辺りを見渡すが香坂の姿はまだない。
「ここに来んの?」
「あぁ、すぐ来るよ」
俺はベンチに腰掛け、隆は立ったまま香坂を待つ。
「なぁ、なんで俺ならいいの?」
「橘がお前を勧めたから」
「橘が?」
疑問が頭に浮かぶ。
「一年時から香坂のこと見てたって」
ニヤっとする隆に俺は恥ずかしくなる。
そんな前から橘に気付かれてたのかよ。
「あいつが学校に来てなかったこと知ってんだろ?」
「えっ…まぁ、理由は知らねぇけど」
そう言うと隆は「そうだよな」と呟いた。