Voice〜彼の声〜
翌朝、学校行くために玄関を出る。
朝の空気は澄んでいて気持ちがいい。
「香坂」
声がした方へと目をやると、榊が塀にもたれるように立っていた。
「おはよう」
ニコッと笑う榊にドキドキしだす。
「お、おはよう…」
どうしよう…。
緊張する。
「なん?緊張してんの?」
意地悪な笑みを浮かべ、顔を覗いてくる。
「…してないもん」
「はっ、顔赤いから」
笑って私の頭を撫でる。
そして榊は手を差し出した。
「手、繋ご」
「…うん」
私は幸せものだ。
そう思いながら榊の手を握った。