Voice〜彼の声〜
榊との幸せ
外は昨日の夜からずっと雨が降り続いている。
雨のせいか、空気もどんよりとした雰囲気である。
「雨、止まねぇな…」
廊下の窓から顔を出し、遠くの空を見上げている榊。
「榊は雨嫌い?」
「まぁ…外に出るのが億劫になる」
「…私も雨は嫌だな」
そう呟くと同時に午後の予鈴のチャイムが鳴り響く。
「あ、教室戻らなきゃ」
窓を閉め、歩きだそうとする腕を引っ張られ、人気の少ない階段へと連れていかれる。