Voice〜彼の声〜



「おい!隆、待てよ」


慌てて追い掛ける。


「惚気話ならいーって」


「お前にしか言えねぇんだもん」



「…俺のおかげだもんな」


嫌な笑みを浮かべる隆に、一瞬、言葉につまる。


「今度、奢れよ」


「了解…」


野球部の隆と別れ、俺も部活へと足を進める。


部室に向かいながらも、俺の頭は香坂でいっぱいだ。



「好き」って言われて以来、俺は積極的になりすぎている。


ちょっとは我慢だってしてるけど、可愛すぎてキスしたくなる。



でも香坂は恥ずかしがって、今日も怒られた。



何か俺って…我慢出来ない男って思われる?



「はぁ〜…、学校では我慢すんべ」


深いため息をついて部室のドアを開けた。



-榊side-

< 197 / 337 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop