Voice〜彼の声〜
「…いつも早いね」
「そうか?」
普通だろ…って表情を浮かべる榊に手をひかれ、電車に乗る。
電車は混んでいて、榊は私が押し潰されないように、扉の所で壁を作ってくれている。
「…大丈夫?」
「うん」
付き合って分かったけど、榊って見た目と違って優しくて恥ずかしがり屋だと思った。
そんなこと言ったら、照れるかな?
映画はコメディーで榊が好きそうなストーリーだった。
映画の間、ずっと手を握っていた。