Voice〜彼の声〜
それから期末試験も無事に終わり、高校最後の夏休みを迎えた。
水着を持っていないって言ったら、早速愛美にデパートに連れていかれた。
「美嘉と海って初めてだよね」
「本当だね」
「榊、美嘉の水着姿見たら惚れ直すよ」
面白がって笑う愛美。
愛美の方がスタイルいいから、私なんてたいしたことないのに。
水着を買って、デパート内にあるフードコートでアイスを食べる。
「泊まりで行くって大丈夫かな…」
「大丈夫だよ。親にはちゃんと勉強するって言ってあるんだから」
余裕な愛美に対し、私は緊張していた。
男の子も一緒に外泊なんて初めてだから。
夜は勉強会をするつもりだから、大丈夫だよね。
「心配しない!楽しもう」
ねっ?と笑いアイスを舐める。
私もアイスを舐めた。