Voice〜彼の声〜



「部活は?」


「途中で抜けたんだ」


「どうして?」


「私情で」


「そうなんだ」


そう言うと榊は「もう帰るの?」と聞いてきた。


「うん、日誌も今出してきたとこ」



「一緒に帰っていい?」


「いいけど、愛美も一緒だよ」


下駄箱に向かいながら、榊と話すの久しぶりだなと思う。



「あいつもいんのかよ」


ぶつぶつ呟く榊に不思議な表情を浮かべると、榊は誤魔化すように笑った。



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