Voice〜彼の声〜
「…怖かった?」
榊は私の頭を優しく撫でた。
違う、違うよ…。
「…ごめん」
謝る私に榊は優しく抱きしめ、布団をかけてくれた。
「………香坂、初めてじゃない…よな?」
その言葉に何も返事出来ずに、榊から視線を逸らし続ける。
「…誰のこと考えてたの?」
今までに聞いたことないほど、冷静な口調の榊。
「ごめんね…」
私は謝るしか出来なかった。
だって私は榊を裏切った。
それでも想うんだ。
創ちゃんのことを…。