Voice〜彼の声〜



「…怖かった?」


榊は私の頭を優しく撫でた。


違う、違うよ…。



「…ごめん」


謝る私に榊は優しく抱きしめ、布団をかけてくれた。




「………香坂、初めてじゃない…よな?」


その言葉に何も返事出来ずに、榊から視線を逸らし続ける。




「…誰のこと考えてたの?」


今までに聞いたことないほど、冷静な口調の榊。



「ごめんね…」


私は謝るしか出来なかった。



だって私は榊を裏切った。




それでも想うんだ。



創ちゃんのことを…。



< 217 / 337 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop