Voice〜彼の声〜
「愛美、お待たせ」
携帯を弄りながら待っていた愛美は榊に目をやった。
「何で榊がいんの?」
「いたら悪いかよ」
お互い不満そうな表情をする。
「一緒に帰ろうって榊が」
そう言うと、愛美は榊に対して不適な笑みを浮かべた。
「ふ〜ん…"一緒に"ね」
「なんだよ?」
「別に〜」
楽しそうに榊を見つめる愛美と、焦っているように見える榊。
「どうしたの?帰ろ」
「うん、帰ろ」
愛美は嬉しそうな表情で歩き出した。