Voice〜彼の声〜
榊は黙って私について来た。
校舎裏に着いて、向かい合うように立つ。
先に口を開いたのは榊。
「…話って?」
いつもと違う、冷たい口調に表情。
ちょっと怖い…と思いながらも言葉を発する。
「……私と別れて下さい」
頭を下げる。
「…嫌だって言ったら?」
えっ?
思わず顔を上げる。
「納得いかない。急に別れてってなに?」
「…ごめん」
「俺のことバカにしてんの?」
「してないよっ…んっ…」
強引にキスをされる。
怖い。
胸元を叩くが意味がない。
ガッ。
榊の唇が切れ、血が出ていた。