Voice〜彼の声〜



「香坂…」


「ん?」



「…いや、何でもない」


小さく微笑んで私の頭に軽く触れ、席へと戻っていった。



私はそんな山下の背中をぼんやりと見ていた。



山下は心配してくれてるんだ。



最近、元気がないから。



私は創ちゃんを忘れられないと気付いた時から、どこか悲しくて、でも泣くわけでもなくて…。



気持ちが沈んだままである。



創ちゃん…。



私はここにいるよ?



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