Voice〜彼の声〜
「…美嘉」
「なに?」
階段を降りる創ちゃんの後ろについていく。
創ちゃんは私の方に振り返った。
チュッと軽く、創ちゃんの唇が触れた。
「…満足?」
ニヤッとする創ちゃんに、私は首を縦に振った。
創ちゃんは意外と意地悪だ。
そこも好きなんだけど…。
「創ちゃん、手繋ごう」
「嫌だよ…」
嫌がる創ちゃんの手を掴み、手を握る。
「誰かに見られるよ…」
「気にしな〜い」
創ちゃんは呆れたように笑い、私の手を握り返してくれた。
「創ちゃんって恥ずかしがり屋だね」
「…はいはい」
適当な返事をする創ちゃんと教室に向かった。