Voice〜彼の声〜
山下と愛美と別れ、私は真っ直ぐ帰宅せず、電車に乗って隣町まで足を運んだ。
久しぶりに来た街の風景は変わっていなかった。
商店街はもうクリスマスムードを漂わせている。
「創ちゃん、クリスマスどうする?」
「…寝る」
即答する創ちゃんに固まる。
酷すぎる…。
「冗談だよ」
笑って私の頭を撫でた。
創ちゃんに頭を撫でられるとドキドキする。
「どこ行きたい?」
「教会!」
「教会…?」
「うん!」
「分かった」
「やったぁ」