Voice〜彼の声〜



「美嘉」


足を止め、創ちゃんと立って向き合う。


「なに?」


「手、出して」


そう言われ、手を出す。


創ちゃんは上着のポケットに手をつっこみ、何かを取り出した。



「はい」


「ふはっ…なにこれ」


私は笑ってしまった。



手の平には小さなウサギの人形のキーホルダーが置かれた。


不細工な顔でワンピースを着て、小さなリュックサックを背負ってるウサギのキーホルダー。



「クリスマスプレゼント」


「ははっ、ありがとう」


創ちゃんからの初めてのプレゼント。


私は嬉しいのと可笑しいので笑いが止まらなかった。



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