Voice〜彼の声〜
クリスマス当日。
街は親子やカップルでどこも溢れかえっていた。
「クリスマスに女二人って寂しいよね…」
ファーストフード店でポテトをつまみながら、ショーウインドーから見える外の風景に溜め息を吐いていた。
「…愛美、落ち込まないで」
とりあえず慰める。
「あぁ〜私も彼氏欲しい〜…」
更に深い溜め息をつく。
「愛美は可愛いから、すぐ彼氏出来るよ!」
「…そうだね、そう信じるよ」
鼻で悲しく笑った。
「あ!映画が始まるから、早く行かないと」
「あ、うん」
さっきまでの落ち込みは消え、走り出す。
愛美にいろんな意味でついていけないよ。