Voice〜彼の声〜
映画は高校生の純愛がテーマで、同世代の私達には共感出来る映画だった。
「感動したね〜」
ボロボロ泣いていた愛美は今も少し鼻が赤い。
「遥も格好良かったしね」
愛美の好きな俳優の名前。
「格好良すぎだから!」
更にテンションが高くなる愛美に私は思わず笑みが零れる。
「あ、笑った」
嬉しそうにニコッと私に笑顔を向けてくる。
どうゆうこと…?
「本当は今日、美嘉に笑ってほしくて映画誘ったの」
「…私、笑ってなかった?」
「う〜ん…というより、無理して元気がなかった」
「そっか…ごめんね」
「いいの、落ち込む時はとことん落ち込んだらいいんだから!」
ふふんって愛美は笑って、私の背中を叩いた。