Voice〜彼の声〜
残り2ヶ月
パンパンと手を叩き、目を閉じて合わせる。
多くの人達が参拝に訪れていた。
「人、多過ぎ〜」
ぎゅうぎゅうに押し潰されそうな人混みを掻き分け、人気の少ないところへと避難する。
「愛美、大丈夫!?」
「…大丈夫」
乱れきった姿の愛美は力尽きていた。
「それにしても毎年、新年の挨拶だけでこの人って凄いよね〜…」
「そうだね」
神社にお参りをしに来た私達は、大勢の参拝客から逃れ歩き出した。
「山下とはどこで待ち合わせ?」
「近所の公園」
そう話してるうちに公園に着いた。