Voice〜彼の声〜
出入り口付近には山下が既に来ていた。
「おっす、おめでとう」
ニッて笑う山下に新年の挨拶を仕返す。
そして私達は創ちゃんのお墓へと向かった。
線香を焚き手を合わせる。
「創、あけおめ」
明るく挨拶する山下に、和やかな雰囲気になる。
「黒崎くん、山下は相変わらずバカだよ」
「はっ!?誰がバカだよ」
「ね?自覚ないでしょ」
言い合いをする二人を見てると笑ってしまう。
創ちゃん、あけましておめでとう。
創ちゃんがいなくなって、3年経ったんだね…。
「創ちゃん、ごめんね」
「…美嘉?」
不思議な表情で私を見る愛美に微笑む。
「創ちゃん家に行こっか」