Voice〜彼の声〜
「でも美嘉が学校来てくれるようになって良かったよ」
安堵の表情を浮かべる愛美。
私は創ちゃんがいなくなった悲しみから、高校に行く気になれず、家に引きこもっていた。
そんな私を愛美と山下が毎日のように励まし、学校に来るように家まで会いに来てくれていた。
「色々ごめんね…」
「謝らなくていいよ」
ふふんと笑ってお菓子を口にいれた。
「そうだ!」
いきなり何かを思いついた愛美は手帳を取り出した。
「どうしたの?」
「来月、バレンタインだよ」
「うん」
「チョコあげる!?」
「ううん…」
あげる相手いないしな。