Voice〜彼の声〜
第2章
突然の告白
「香坂ってどんな奴が好きだったりするの?」
休み時間、教科書を片す私の前の座席に腰を掛け、榊が突然質問してきた。
「えっ?いきなり何?」
「いや、正直、俺はお前みたいなのがタイプ」
急な発言に反応出来ず、状況が理解出来ないまま、榊は言葉を続ける。
「ていうか、香坂が好き」
突然告白され、頭が真っ白になる。
「以上、これが俺の気持ちだから」
呆然とする私を残して、全て言い切ったような表情で榊は席を離れた。
そして榊の教室での声が大きかったのか、教室にいた生徒に知れ渡り、冷やかしの対象となった。