Voice〜彼の声〜
鈍感と嫉妬と諦め
「美嘉ちゃん、それ黒崎くんにあげるチョコ?」
休み時間、友達がチョコを触ってる私に話しかけてきた。
「違うよ!」
「そうなの?誰にあげるの?」
「黒崎くんから貰ったの〜…」
「黒崎くんから貰ったの?」
「うん…誰かから貰ったチョコなんだよ〜」
「あんたたち、よく分かんないね」
苦笑して友達は私の手からチョコを奪った。
「山下にあげたら?」
「なんで山下?」
「チョコ欲しそうだから」
そう言って友達とふざけあっている山下に視線を移す。
朝からずっとチョコの話をしている男子たち。
そんなにチョコって欲しいもんなのかな…?