Voice〜彼の声〜
放課後、創ちゃんは呼び出しをくらい、私は教室で待っていた。
呼び出しって女の子からの告白なんだけどね。
創ちゃん、無口なのにモテるんだもん。
「美嘉、何してんだ?」
教室の窓から外を眺めていると、山下が教室に入ってきた。
「創ちゃん待ってるの」
「それにしたら機嫌悪いな」
苦笑気味に私の隣に立つ。
「だって告白されてんだよ〜…」
「へぇ〜」
ニヤニヤと笑う。
「なんで笑うの?」
「本当、お前って創のこと好きだよな」
「…うん」
「照れてるし」
そう言って私の頭をぐしゃぐしゃとする。
「本当…創しか見てない」
悲しい表情で呟くように言うと私の頭をポンポンと軽く叩いた。
「山下…?」
なんだろ…一瞬、泣きそうに見えた。