Voice〜彼の声〜
『それ、ヤキモチ妬いてくれてんじゃん』
あはは、と大笑いする愛美。
家に帰った私は即効、愛美に電話をした。
「…ヤキモチ?」
『だって山下くんにチョコ渡してんの見て、不機嫌になったんでしょ?』
「…うん」
『だったらヤキモチ妬いてくれたんだよ』
仲良いね〜と笑いながら言葉を続ける。
『黒崎くんと仲直りして、ちゃんとチョコ渡しなよ』
「う〜…仲直り出来るかな」
『大丈夫だよ!それより山下くんが問題だね』
「山下が?」
『美嘉のこと好きなんでしょ?』
「………はっ?」
『何、今の間…はぁ〜…だから黒崎くんに怒られるんだよ』
電話越しに愛美の呆れた表情が見えてくる。
「山下は友達だよ!」
『相手はそう思ってないんだよ』
まぁ、とりあえず黒崎くんと仲直りしてきな、と電話は切れた。