Voice〜彼の声〜
「…おっす、久しぶり」
小さく笑って私の前に腰をおろした。
「…痩せた?」
「山下も…」
「まぁ、な…」
苦笑し、顎をさする。
「美嘉、来週の卒業式は来いよ」
卒業式…。
「最後なんだからさ、卒業式は出よう?創も出てほしいと思ってるよ」
な?って顔を覗き込む。
創ちゃんと一緒に卒業したかった…。
創ちゃん…と…。
「…美嘉?」
溢れ出す涙を山下は拭い取りながら、「出よう?な?」って何度も言ってくれた。
私はコクンと小さく首を縦に振った。