Voice〜彼の声〜
卒業式は創ちゃんは遺影での参加となり、全体的に涙の卒業式となった。
私はただぼんやりと式をやり過ごした。
皆、気を遣ってか誰も私に創ちゃんの話をしなかった。
「…美嘉ちゃん」
「うん?」
「大丈夫?」
大丈夫?
何が?
「…大丈夫だよ?」
そんなはずないじゃん。
「ずっと休んでたから、心配してたんだよ」
ホッとしたような表情をする友達たち。
「…ごめんね」
ニコッて笑う。
誰も、分かってないよ。
ヤバイ…泣きそう。
「美嘉ちゃん?」
「…っ……う〜……ふぇ〜……っ…」
泣き出す私を囲い込むように、皆で抱きしめ合った。
ごめんね…。
私は弱い。