Voice〜彼の声〜



卒業式は創ちゃんは遺影での参加となり、全体的に涙の卒業式となった。


私はただぼんやりと式をやり過ごした。



皆、気を遣ってか誰も私に創ちゃんの話をしなかった。


「…美嘉ちゃん」


「うん?」


「大丈夫?」


大丈夫?


何が?



「…大丈夫だよ?」


そんなはずないじゃん。



「ずっと休んでたから、心配してたんだよ」


ホッとしたような表情をする友達たち。



「…ごめんね」


ニコッて笑う。



誰も、分かってないよ。


ヤバイ…泣きそう。



「美嘉ちゃん?」


「…っ……う〜……ふぇ〜……っ…」


泣き出す私を囲い込むように、皆で抱きしめ合った。




ごめんね…。



私は弱い。



< 290 / 337 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop