Voice〜彼の声〜



「今日も泊まっていく?」


おばちゃんの問いに首を横に振った。


「おばちゃん…今までありがとうございました」


「どうしたの?」


首を傾げる。



「創ちゃんと会えて、私は幸せでした」


そう言って頭を下げた。



今日は創ちゃんの命日。


創ちゃんに逢いたいっていつも泣いてたけど、それも後二週間。



「…美嘉ちゃん?」


心配そうな顔をするおばちゃんに私は小さく笑った。



「これからも体には気をつけて下さいね」


こうして私は創ちゃん家を後にした。



これで創ちゃん家とはお別れ…。



後は卒業式を待つだけだよ…。



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