Voice〜彼の声〜
「俺、字が下手だから日誌書いてくれる?」
どうやら私は今週の日直当番らしい。
「いいけど、私もそんなに字、上手じゃないよ」
そう言いながら手渡された日誌を受け取る。
「大丈夫、俺より上手いはずだから。それよりさ、今日の放課後って時間ある?」
「えっ…ないけど」
すると愛美がいきなり大声を出して笑いはじめた。
「即答だし、榊が可哀相じゃん」
訳の分からない私を残して、大笑いする愛美と佇む榊。
何か失言でもしたか?と思い不思議な表情を浮かべる。