Voice〜彼の声〜
『…もしもし?』
うわ…香坂の声だ。
半年ぶりに聞く。
「も、もしもし…」
あー。
俺、緊張してるし…。
落ち着け、俺!
『急に電話ごめんね…出てくれないかもと思ってたから、ちょっと安心した』
電話の向こうで笑う香坂を想像してしまう。
「うん…どうしたの?」
『あ、そうだ。大学受かったんだってね…。おめでとう』
「さんきゅ…」
隆から聞いたのかな…。
今、こうやって香坂と電話をしてるのが不思議な感じがする。
もう話すことがないと思ってたから余計に。