Voice〜彼の声〜
「お前と俺は理由が違うよ。俺はフラれたようなもんだよ」
「フラれたって…?えっ?香坂のこと好きだったの?」
頭がパニックし始める。
「あいつは創しか見てなかったけどな…」
フッと鼻で笑う。
マジかよ…、全然気付かなかった…。
俺って意外と鈍感?
『山下、創ちゃんも撮ってよ』
『いいよ。創!こっち向け!』
…創って黒崎創!?
俺はテレビを凝視した。
黒崎創がどんなやつか分かる。
『創ちゃん』
香坂が呼ぶが無視する黒崎創。
『創、美嘉泣くぞ』
隆が言うと溜め息を吐きながら、カメラの方を向いた。
その瞬間、俺は唾を飲み込んだ。