Voice〜彼の声〜
『…美嘉』
『何?…ん!?』
カメラは黒崎創の手で隠され、真っ暗になった。
カメラが元の明るさに戻ると香坂は頬を赤く染めて、俯いていた。
『お前、いきなり何してんだよ!?』
慌てる隆の声がする。
『…なんのこと?』
『…あー、そう。知らないふりか…』
シレッと言う黒崎創に隆は溜め息を吐いた。
つーか、絶対、キスしたよな…。
やっぱり俺の勘違い。
黒崎創も香坂が好きだった。
こんな幸せそうに笑う香坂を初めて見たのがショックだった…。
俺といる時はこんな笑顔を見せたことがなかった。
黒崎創といることが本当に香坂にとって幸せだったんだな…。
何か俺、情けねぇ…。