Voice〜彼の声〜



「…佳祐の声ってさ」


ずっと黙ったままだった隆が突然口を開いた。



「創と似てる…気がする」


「…はっ?どこが?」


「どこって分かんないけど…、ふと似てる時がある」



そう言って黒崎創の声と俺の声を聞き比べる。



似てるって…俺には分かんねぇ。


そう思った時、香坂に言われたことを思い出した。



『私の名前を呼ばないで!』



『名前で呼ばないでほしいの』



『榊の声って安心する』



『"美嘉"って呼んでほしいの』




「……あ〜…、そうゆうことかよ…」


なんだ…、今頃気付くって俺バカだ…。


香坂はずっと俺の声に黒崎創を重ねてたんだ。



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