Voice〜彼の声〜
「美嘉、卒業式終わったら姿なくて、橘と一緒だと思ってたんだけど、美嘉と連絡がとれないって電話きて…あいつ、最近様子おかしかったから…」
最悪だ…と顔色が変わる。
「行きそうなとことか思い当たるとこないのかよ!?」
俺の言葉に少し考え隆は部屋を飛び出した。
俺も慌て追いかけた。
「もしもし?橘?…うん、とりあえず美嘉ん家に行ってみる」
橘と電話が終わった隆について行く。
「…橘!」
「あ、山下…」
顔色を変えた橘が香坂の家の前で泣きそうな表情で立っていた。
それと同時に二人の携帯が鳴り響く。
「…美嘉からだ」
橘の声と隆の声が重なる。
メールを読んだ橘の目からは涙が流れ出した。