Voice〜彼の声〜
「美嘉!」
「…お母さん」
すごい勢いで私に駆け寄ってくると、パチンという音が響いた。
右頬がヒリヒリとする。
「どうしてこんなことするの!?お母さんとお父さん、残して逝こうとしないでよ!」
「ご、ごめんなさい…」
頬に手をあてながら、涙を流すお母さんに謝る。
「創くんを失ったように、美嘉を失ったら、悲しむ人がたくさんいるんだからね!」
そう言って私を強く抱きしめた。
黙っていたお父さんは私の頭を優しく撫でてくれた。
ごめんね…、お父さん、お母さん。
私は本当にバカなことをしたんだね。
こんなにたくさんの人から笑顔を奪おうとしてたんだね。