Voice〜彼の声〜
未来へと
「美嘉、調子どう?」
「大丈夫だよ」
意識が戻ってから二日間後、私はしばらく入院をすることになった。
「山下も来てたんだ」
丸椅子に腰かけていた山下に気付いた愛美は、その隣に座った。
「りんご食べる?」
「あ、うん…ありがとう」
りんごの皮を剥きはじめる愛美。
「山下、ずっと泣いてたんだよ」
「おまっ!お前、余計なこと言うなよな〜!」
意地悪な笑みを浮かべながらりんごの皮を剥く愛美に対し、顔を赤くする山下。