Voice〜彼の声〜



翌日、おばちゃんがお見舞いに来てくれた。


私は自分を責め続けるおばちゃんに何度も謝った。



そして今の自分の正直な気持ちを伝えた。



「そう…」


「ごめんなさい…」


創ちゃんを忘れるのでも、忘れたいのでもない。



「謝ることじゃないわ。きっと創も応援してくれる」



創ちゃんと最後の約束をしたから。



「応援、してくれますかね?」


それが創ちゃんの願い。



「あの子、美嘉ちゃんのこと好きだから、美嘉ちゃんが決めたことなら応援してくれるわよ」


ふふっと優しく笑って、おばちゃんは私の背中を押してくれた。



未来へと向かう第一歩を。


< 333 / 337 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop